コンセプト
「クラシック音楽」といえば、「コンサートホール」で「着飾った」人々が「おし黙って聴く」というイメージでしょうか(極端ですが)。実情、クラシック音楽の公演というのは日常生活から少し「特殊な状況」に足を運ばなければ、なかなか聞くことができないかもしれません。しかし音楽と出会える機会を過度に限定したくはありません。
西洋音楽史上には、日常生活から地続きに演奏された音楽や上演状況が多々あります。聴き手も手拍子や踊りで盛り上がったり、冗談めいた歌詞に笑ったり、あるいは一緒に歌ったり。きっとそんな楽しみ方をしたであろう曲が数多く見られますし、それはおそらくピアノのような大掛かりな楽器もなかったであろう食堂や個人宅で、食事やお酒と共に楽しまれていたに違いありません。
部活動は簡単なストレッチから始まり、発声練習を兼ねた簡単な曲を歌ってスタートします。
クラシック音楽のみならず、現在耳にする音楽には西洋的な音階や和声を基礎構造としているものがあふれていますが、近代的な和声が発達する18世紀頃作曲のカノン(輪唱)には、演奏が容易ながらも充実した旋律・和声を体感できる曲が多く、それらを歌い演奏することで音楽の基礎的要素を学びます。
18世紀後半にヨーロッパ各地で市民愛好家による演奏文化が広まると、その集いのために出版される曲集もあらわれます。そんな文化状況に倣って、「鑑賞」するだけでなく、自分たちが歌い、演奏し、自ら楽しむという音楽のあり方をあらためて提唱します。
難解で長大な大作をやみくもに演奏するのではなく、取り組みやすく、理解しやすい、そしてアンサンブルすることの楽しみを存分に感じられる楽曲に、その都度新しく出会うことを活動の指針とします。
その場の練習で音楽が完結するので事前練習は必要ありませんし、楽曲ごとの楽しみを十分に味わい尽くせるように専門家たちが手助けします。
「聴かせる」ことを目的とした練習ではなく、音楽を自ら学び遊ぶ、西洋音楽の歴史資産を味わう中に楽しみを見出すことを団体の目的とします。そのことが、一人一人の人生における文化的財産になると考えます。
自主コンサートの開催は目指していないため、参加回毎あるいは月毎の参加会費以上の負担はありません。人前での演奏機会がある場合には自由参加の形をとり、それに合わせた練習はサークル活動時間とは別に設定します。